鋳物の分類
鋳物はその材質により、下記のように分類されます。
銑鉄鋳物
- 普通鋳鉄
- 球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)
- 可鍛鋳鉄(マリアブル)
鋳鋼
- 普通鋳鋼
- ステンレス鋳鋼
非鉄金属鋳物
- 銅合金鋳物
- 軽合金鋳物
- ダイカスト
鋳物アラカルト
一般的に鋳物という名称がよく使われていますが、この”鋳物”というのは、金属を溶かして、砂の型に流し込んでできた製品を鋳物といいます。
鋳物の最大の長所は、いろいろな形状のものが、一体感のある製品に仕上がり、なおかつ重厚感や安らぎ感があります。実例をあげますと100年以上たっても、まだ健在な学習院の”鉄門”(国の重要文化財)は、サビが塗装材の役割(サビの浸食が止まる)を果たし、メンテナンスが不必要になり、丈夫で長持ちの代表的な例です。そのほか、お寺や神社に見られる防火用天水鉢などもあり、最近のものでは東京オリンピックの聖火台が健在です。
鋳物製品を作るためには、その前の準備として製品と同じ型をした模型を木材(何年も継続して同じ製品を作る場合は金型)で作ります。この模型を通称、木型(あるいは金型)と呼んでいます。この模型を作るには、彫刻家と同じような経験と技術が必要とされます。
鋳物は用途に応じて、材質の違う鋳物製品を選ぶことにより、景観をより引き立てることができます。
川口で作られている景観鋳物製品の材質の種類
1. 普通鋳鉄(FC)「鉄鋳物の一種」
強度はありますが、特別強度を必要としない製品に使われます。
2. ダクタイル鋳鉄(FCD)「鉄鋳物の一種」
危険防止のため強度を必要とする景観鋳物製品は、鋼と引張り強さが同じくらい強く、柔軟性もあるので、この材質が多く使われています。昔からマンホールや鋳鉄管等にも使われています。
3. アルミ鋳物(AC)
重量が鉄鋳物の3分の1の軽さなので、重量制限のあるところや、門扉のように扉の開閉をするような所。また一時的に移動し、元に戻すようなところの場合に使いやすさがあります。
4. ステンレス鋳物(SCS)
サビにくい材質なので、塗装をしないで使うことが多く、また、地肌を磨くことにより、光沢を出すこともできます。
5. 青銅鋳物(BC)「砲金ともいう」
銘板等では、地肌の部分と磨きをかけた部分では、金色で渋い色と、光った色になり重厚感があります。これも年数がたつと、風格のある緑青色になります。代表的なものでは公園等で見られる銅像(ブロンズ)などがあります。